レオ杯はライスと祝杯を(前編)

チャンピオンズミーティング「レオ杯」のコースは、阪神芝2200m。
これは宝塚記念の舞台でもある。

実装済みのウマ娘の中にも、宝塚記念の勝者は多く存在する。

スペちゃんをピタリとマークして並ぶ間もなく差し切ったグラスワンダー。
直接対決6戦目にして初めてテイエムオペラオーを倒したメイショウドトウ。
勝っても負けても大きな注目を集めたゴールドシップなど、
多くのドラマを演出した9名もの勝ちウマがいる。

けれど、今回私が苦楽を共にすると決めたウマは、
これら9名のウマ娘ではない。
宝塚記念の勝ちウマではないが、宝塚記念とは深い関係のあるウマ。

その名はライスシャワーだ。

ライスシャワーは、ファン投票1位に選ばれた1995年の宝塚記念のレース中に骨折。
診療所に運ぶことすらも難しく、その場で安楽死の措置が執られたのだ。

当時小学生だった私はまだ競馬の面白さに目覚めておらず、
リアルタイムで見ることはかなわなかった。

だが、ファン投票1位の馬がレース中に非業の死を遂げたのだから、
多くのファンが悲しみにくれたであろうことは想像に難くない。

アニメ第2期では、レースに勝っても祝福してもらえない苦しみと、
それを乗り越えて天皇賞に挑戦するライスの姿が描かれている。

私は「勝ちたい想い」と「勝っても意味がない」の狭間で葛藤するライスを見ながら、
人生の不条理さのようなものを感じていた。

余談だが、史実のライスシャワーも、厳しいトレーニングを重ねて天皇賞を迎え、
レース当日は猛獣のような恐ろしい雰囲気をかもし出していたそうだ。
ウマ娘ではそれを青い炎として表現していたのだろう。

そんなライスシャワーで、因縁ある宝塚記念を勝利できたら、喜びもひとしおだ。
レオ杯での私の目標は「ライスシャワーで優勝する」ことに決まった。

では、どんなライスで挑めばいいのだろうか。
レオ杯の下馬評では、加速スキルこそが正義。
中盤で先頭に立ち、終盤で一気に加速して押し切る水着マルゼンスキーや、
道中で好位につけ最終コーナーで抜け出しを図るオグリキャップ。
終盤を6番手で迎えることを祈り、レッツアナボリックの発動とともに捲る差し・追込ウマが強いとされていた。

一方、ライスシャワーの固有スキル「ブルーローズチェイサー」は、
直線で追い抜きをしたときに発動する速度スキルだ。

加速スキル山盛り構成で挑み、コーナーで先頭あるいは2番手まで進出した場合、
直線での追い抜きが発生せずに固有スキルが発動しないのだ。

ライスはただでさえ育成が難しくステータスを整えることが大変なのに、
固有スキルが発動が見込めなければ、勝つことは容易ではない。

4番手あたりで最終直線を迎え、
バテたウマをかわして固有を発動させる展開が理想である。

そこで、私が選んだのは、
加速スキルを搭載しない「差しライスシャワー」である。

スキルは体力回復系と最終直線で発動するものに特化させ、
最終コーナーまではライスの赴くままに走り、
直線で一気にスピードを爆発させる。

相方となるウマ娘には、
先行花嫁マヤノトップガンと、
差しナイスネイチャを選択した。

逃げウマや先行ウマに楽をさせてしまうと、
直線でいくら速度を爆発させても勝ちきれないため、
マヤノとネイチャは対戦相手をけん制するスキルを多く積み、
ライスシャワー勝利のためのサポートをしてもらうこととした。

このライスが完成したのは、第2ラウンド2日目。

そこからは、なんと20戦14勝という好成績を収めることができたのだ。

最終コーナー途中から前のウマを追い抜き始め、
直線入り口で固有スキル「ブルーローズチェイサー」を発動させ、
一気に全ウマを交わして駆け抜けるのが勝ちパターンだ。

レースは水物だ。
ディープインパクトのような最強馬でも負けることはあるし、
メジロパーマーのように大舞台で番狂わせもありうる。

私はやれることはやりきった。

人事を尽くして天命を待つ。
あとは私の愛馬が決勝戦で全ての力を出し切ってくれることを
ただただ祈るばかりだ。

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